アメリカ大統領選の行方
共和党の支持基盤
アメリカ大統領選において過激発言で何かと話題のドナルドトランプ氏ですが、ここにきて移民の強制送還に関する公約を軌道修正するというニュースがありました。
トランプ氏は共和党に属しており、共和党はそもそもキリスト教原理主義(草の根保守)が根底にあり、排他的な独立主義的な方針を採ってきました。
今回の大統領選の始めの頃、トランプ氏は「メキシコとの国境に壁を作る。建設費はメキシコに負担させる」と言い放ちました。そうすることで保守層の支持を集めようとしていたわけですよね。
対抗する民主党はヒスパニックや西海岸に多い移民の支持基盤が強いです。現在の選挙戦が苦境に立たされているため民主党の支持票の一部を取り込まないと勝ち目がないと判断したのでしょうか。
支持層の拡大
その方向転換が現時点で正しかったのかはわかりませんが、共和党は今まで反移民の体制を採ってきましたが、白人の割合は年々減少傾向です。
http://www.dir.co.jp/research/report/place/intro-usa/20140626_008693.pdf
そうなると今までのように単純に移民(ヒスパニック)に反対していれば良いというわけにはいかなくなっています。
共和党最大の支持基盤である白人人口が減少していくわけですから。
アメリカは不法移民の子であっても、アメリカ国内で生まれればアメリカ国民となり、選挙権も得ることができます。アメリカの人口が未だ増え続けているのはこのヒスパニックの出生率が高いからです。そうなると移民の人々はアメリカ国内において影響力をどんどん強めていきます。
共和党の今後
今後さらに移民受け入れ態度を軟化させ支持層に引き込んでいくのか、それとも共和党自身のアイデンティティを最重要視し、強硬政策を取っていくのか。
どちらにせよこのまま行けば確実に共和党の支持基盤は弱体化していきます。
共和党がどのような舵取りをしてくるのか、個人的にとても注目しています。